International Political Fund (日本語)


以下に、"OCCUPY WALL STREET BY MONEY"において提案しましたポリティカルファンドについての考察を述べます。

1. International Political Fund
ポリティカルファンドはあらかじめ、グローバル企業として設立されることが望ましいと考えられます。

理由:
ポリティカルファンドが相手とする企業がグローバル企業である場合があるためです。

私はこのファンドを以下のように名づけたいと思います。

IPF
International Political Fund
国際政治ファンド

2. IPFによる企業監督に於ける国家に対する優位性
IPFは国家よりも企業を監督する目的に適任と考えられます。

理由:
(1)政府の限界にとらわれない
(2)企業の国外流出に繋がらない
(3)国家の枠にとらわれない

(1)政府の限界にとらわれない
>サブプライムローン問題などで自己破産をした人々の救済に携わるマサチューセッツ州のNPO、「ESAC」の住宅問題カウンセラー、バージニア・プラットは、低所得者を狙ってサブプライムローンを押しつけた金融機関のやり方を怒りを込めてこう表現する。
>「まるでハゲタカです。最近入ってきた移民たちにはクレジットカード利用暦もなく、ヒスパニック系の家族の三五%はそもそも銀行口座すら持っていません。こういう人たちの個人情報が金融機関に出回っているんです。それを見ながら地図上に印をつければ、「カモ」の分布図ができあがる。金融機関の営業マンたちはそれを見てピンポイントで勧誘に回るというわけです」
> これらの金融機関による勧誘やその結果による現状は、連邦政府側からも非常に実態がつかみにくいという難点がある。どこの機関にどんな苦情がどれだけ寄せられているのかは、相手が民間企業であるためなかなか調査しにくいのだ。
>(p.7-p.8/ルポ貧困大国アメリカ/堤未果/岩波書店/ISBN 978-4-00-431112-6)

このように、アメリカ政府ですら、民間企業相手では、調査が困難です。
その点、株主は資本関係を利用して企業を調査することができます。
従って、民間企業相手の監督において、ファンドは国家よりも有利と考えられます。

(2)企業の国外流出に繋がらない
>いみじくもいわれているように、商人というものは必ずしもある特定国の市民だとはかぎらない。どこを根城に自分の商売をしようと、かれにとってはほとんどまったくどうでもよいことなのであって、ほんのちょっとでもいや気がさすようなことでもあれば、かれは、自分の資本をそれが維持しているいっさいの産業といっしょにして、ある国から別の国へ移してしまうであろう。
(p.499/諸国民の富/アダム・スミス/岩波書店/ISBN4-00-341052-1)

資本関係は国境の枠にとらわれません。
たとえ企業が海外移転したとしても、ファンドとの資本関係は影響を受けません。
であれば、ファンドによる監督に不満があるとしても、海外移転することは無意味となります。
従って、IPFによる監督ならば企業の国外流出に繋がらないと考えられます。

(3)国家の枠にとらわれない
企業は国境の枠にとらわれません。
>ハリバートン社傘下の派遣社員が戦死者数に数えられないのと同様、ブラックウォーター社の「傭兵」もまた、別の意味で目に見えない存在だ。
>イラクに派遣された同社の「傭兵」には監視も法的拘束もかからない。たとえ彼らが戦地で非人道的行為を行ったとしても、国際法で裁くことは不可能になる。現行の法律では、海外で軍務の一部を負う国防総省の契約業者だけが、アメリカ国内法の適用対象となっている。ブラックウォーター社はその主要業務が警備であることなどから、国防総省とではなく国務省と契約を結んでいるため、社員の犯罪は軍法会議の対象からも外されるのだ。
>(p.170/ルポ貧困大国アメリカ/堤未果/岩波書店/ISBN 978-4-00-431112-6)

このように、国家はグローバル企業を監督する主体として力不足です。
そもそも、外国貿易の発達していない時代ならともかく、グローバル時代に、国境で主権の行使が制限される国家に、企業の監督を任せることが間違いなのです。
従って、グローバル企業を監督する主体として、国家とは別の仕組みが必要と考えられます。
ではどのようにすれば良いでしょうか?

資本を押さえる。
という方策が考えられます。

ファンドは企業の資本を押さえます。
従って、ファンドは国家の枠にとらわれずに企業を監督することが可能となると考えられます。

(1)政府の限界にとらわれない
(2)企業の国外流出に繋がらない
(3)国家の枠にとらわれない
以上3点により、
IPFは国家よりも企業を監督する目的に適任と考えられます。

3. National Political Fund
"OCCUPY WALL STREET BY MONEY"において言及いたしました国民政治ファンド(NPF)は、外資規制対策のために必要です。
なぜならば、外資規制により、国際政治ファンド(IPF)による企業の監督に支障が生じる場合も考えられるためです。
しかし、もしも国内企業としての立場を持つ政治ファンドがあれば、外資規制を回避する事が出来ます。
すなわち、「国民政治ファンド(NPF)」です。
つまり、外資規制を回避するために、国民政治ファンド(NPF)が必要となるのです。

4. ポリティカルファンドの活動方針に関する提案。
>格差是正
ポリティカルファンドを利用してこの目的を達成するために春九千は三つの方法をとった。
(1)マネージャーダンピング
(2)失権の原理
(3)サブシディアリアライアンスシステム
である。

(1)マネージャーダンピング
マネージャーのオーディションを行います。
これは、市場原理のマネージャー選抜における導入です。
事前に選抜されたマネージャー志望者たちに希望する報酬額を提示させ、最も安い報酬を提示した候補者を採用します。

マネージャーダンピングはコスト削減の一環です。
マネージャーに対する高額報酬は、株主にとっての不利益です。
なぜなら、株式の配当に割り当てられる剰余金が、経営者に対する高額報酬の分だけ減少するためです。

そこで、役員報酬に市場原理を導入します。
マネージャー志望者間で競争させることで、より優秀でより安い報酬の、コストパフォーマンスが高いマネージャーを雇うことが可能となるはずです。

マネージャーダンピングの狙いは、マネジャー達の間に市場原理を導入し、報酬分野におけるダンピング競争を引き起こすことです。
これにより、経営者に対する高額報酬の減少分を、株主に対する配当を増やすために、剰余金に回すことができると考えられます。

なお、オーディションにおいては、ポリティカルファンド側のエージェントを、マネージャー候補者に混ぜておくことが望ましいと考えられます。
目的は、カルテルの防止です。
ポリティカルファンドは、ポリティカルファンド側のエージェントに、ポリティカルファンド側が上限値だと判断する金額を、報酬として提示させます。
この方策により、マネージャーに対する高額報酬の抑制が期待できると考えられます。

(2)失権の原理
ポリティカルファンドは、株主となっている企業における、従業員とマネージャー間の給与格差を規定します。
規定以上の報酬を得ているマネージャーは解雇もしくは自ら報酬を減額させます。
ポリティカルファンドが株主となっていない企業に対しても、規定の受け入れを要求します。

その場合、どういう名目で要求するか?
ついに春九千は、ターゲット企業従業員の苦しみを軽減する、という名目を考えついた。
受け入れない場合は、ポリティカルファンドが株主となっている金融機関や企業を介して、借り入れや取引などを通じて、ターゲット企業に規定を受け入れるように遺憾ながら希望します。
この方策により、株式を公開していない企業に対しても影響力を行使することが可能になると考えられます。

(3)サブシディアリアライアンスシステム
ターゲット企業の取締役会にポリティカルファンドの費用を負担させてその政権を保護する政策。
「サブシディアリアライアンスシステム」政策のもとでは、ターゲット企業の取締役会は取締役会内部にポリティカルファンドの代理人を常時在籍させ、その維持のための経費を支払わされた。これらはすべてターゲット企業の取締役会の保護という名目だった。
一方サブシディアリアライアンスシステム体制は、ポリティカルファンドにとってこのうえもなく魅力的なものであった。今や大規模な資金をターゲット企業の費用で維持することができ、その結果ポリティカルファンドのグループからはるか離れた企業での株主総会に臨めた。なぜなら、委任状争奪戦はポリティカルファンドの協力会社の株主総会でもライバル会社の株主総会でも起こりえたからだ。

また、ポリティカルファンドは配当を、株式の追加購入に当てます。
これにより、ターゲット企業に対するの影響力拡大を、ターゲット企業自身の剰余金で行うことが可能になります。

さらにたとえ、ポリティカルファンドに対抗する株主がいたとしても、対抗上、配当のうち、自らの消費に回す分を削らざるを得なくなります。
この方策により、敵対する株主の経済力を疲弊させることが可能になると考えられます。

以上

Studies in Methodology for Tribalism
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/7659/smt.html

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